定年後の収入を守る!障害者手帳を持つ方の仕事準備ガイド

1.はじめに:定年後の「経済準備」はなぜ重要か?
こんにちは。障害者転職エージェントハッピーの山口です。
日本の就労人口は急速に減少しています。少子高齢化が進み、2040年には総人口の35%以上が65歳以上になると予測されており、労働力不足は今後さらに深刻化していくでしょう。この影響を受け、多くの企業が定年の延長やシニア雇用を拡大していますが、それでもすべての人が安定して働ける環境が整っているわけではありません。さらに、現在の日本社会は混沌としており、景気の変動、物価の上昇、そして公的年金制度の不安定さなど、老後の経済基盤が大きく揺らいでいます。特に、公的年金制度は少子高齢化の影響を大きく受けており、現役世代の負担増加とともに、将来的には十分な給付を維持することが難しくなると考えられています。すでに年金の支給開始年齢の引き上げや給付額の抑制が進んでおり、「年金だけでは老後の生活を支えられない」という現実が、多くの人々にとって切実な問題となっています。これは、障害者手帳を持つ方にとっても例外ではありません。むしろ、障害による体調管理の必要性や、就労機会の制限といった要因を考慮すると、定年後の雇用機会を確保し、年金以外の収入源を得ることが、より重要な課題となります。
しかし、決して悲観する必要はありません。近い将来、「70歳定年」「75歳定年」が当たり前になり、先進的な企業は定年制度を設けず、意欲のある人が長く働ける環境を整えるところも増えていくでしょう。これは、少子高齢化による人材不足だけでなく、「年齢に関係なく能力を活かせる社会」へと変化しつつあることを示しています。つまり、今後は「高齢だから働けない」という時代ではなく、「スキルや経験を活かせば、長く働き続けられる」時代になっていくのです。
障害者手帳を持つ方にとっても、体調や生活スタイルに合った働き方を見つけることで、定年後も経済的な安定を得ることは十分に可能です。そのため、早めに自分に合った仕事を見つけ、スキルを身につけることで、定年後も安定した収入を得る準備を進めることが大切です。本コラムでは、障害の程度や体調に応じた仕事の選択肢や、今からできる経済的な備えについて詳しく解説していきます。
「定年後も、仕事を続けられる環境は確実に増えていく」
「自分に合った働き方を見つけることで、安心した生活を送ることができる」
「在宅勤務や短時間勤務といった柔軟な働き方を取り入れている企業も増え、年齢や体調に応じた就労がしやすくなっている」
こうした変化を前向きに捉え、今から準備を始めることで、将来の選択肢を広げていくことが大切です。

2.定年後も安定した収入を確保するための選択肢
障害者手帳をお持ちの方にとって、将来の生活費や医療費といった老後資金の準備は重要なテーマです。定年後に安定した収入を確保するためには、社会の変化に適応しながら、自分に合った仕事を選ぶことがカギとなります。
そこで以下では、障害者手帳をお持ちの方が、長く続けやすく、経済的にも安心できる仕事を、3つのカテゴリに分けてご紹介します。
①リモートワークが可能な事務職・サポート職
近年、IT技術の進化によって在宅で働ける仕事の選択肢が広がっています。年齢を重ねても、ITリテラシーを高めることで65歳以上になっても雇用が継続される可能性が高まります。 特にリモートワークは通勤負担を減らしながら安定した収入を得られる点で、障害者手帳を持つ方にとって大きなメリットがあります。デジタルスキルは一度身につければ長期的に活かすことができ、在宅でも安定した収入を確保する手段として老後の経済的な安心感にもつながります。
【具体的な職種】
▼データ入力・経理補助(オンラインでの事務作業)
▼ITサポート(チャット対応・ヘルプデスク)
▼オンラインアンケート・モニター業務(簡単な市場調査の回答)
▼キャリア相談アドバイザー(転職・就職サポート)
▼企業のマニュアル作成支援(業務手順のまとめ、文書作成など)
▼デジタルマーケティング(SNS運用・広告運用)
【ポイント】
・企業の障害者雇用枠で、リモートワーク可能な求人が増えている
・クラウドソーシングを活用し、自宅で自由に仕事ができる
・デジタルスキルを身につけることで、より多くの仕事に対応できる
・デジタルスキルを身につけることで、私生活の利便性も上がる
②人間の対応が求められる仕事
AIや自動化が進んでも、人との対話や直接のサポートが必要な仕事は今後も存続し続けます。特に、福祉や医療業界では「人の温かみ」が求められるため、障害者手帳を持つ方でも比較的働きやすい仕事が多くあります。また、皆様の豊かな人生経験が、こういったお仕事に活かせる最大の職業スキルになります。長年の社会経験や人との関わりの中で培った知識や気配りは、機械にはできない「人だからこそできる仕事」において、非常に貴重なものです。経験や人柄が活かせるこれらの仕事は、シニア世代ならではの価値を発揮できる分野でもあり、収入を得ながら社会とつながり続けることが老後の不安解消にもつながります。
【具体的な職種】
▼病院・介護施設の受付・相談員(患者・利用者の案内、簡単な事務作業)
▼役所の窓口業務(年金・福祉関連)(障害年金や介護サービスの案内、手続き補助)
▼福祉・障害者支援センターの事務・支援員(相談窓口対応、書類作成、データ入力)
▼マンション・ビルの管理人(居住者対応、簡単な清掃・巡回、事務作業)
▼学校や公共施設の用務員・事務補助(備品管理、来客対応、簡単な事務作業)
▼シニア向けの生活相談員・見守りスタッフ(高齢者向けサポート、電話相談、施設案内)
【ポイント】
▼コミュニケーション能力を活かせる仕事が多い
▼体調に合わせてシフト勤務が可能な職場も多い
▼対面でのサポートが求められるため、機械では代替できない仕事
▼慢性的に人手不足の職種は沢山あり、求人が安定している
③完全自動化が難しい職種
技術が進化しても、人の手が必要な仕事は今後も存続する傾向にあります。管理業務や接客業などは経験や対応力が求められるため、高齢になっても働き続けやすい仕事です。 特に、設備管理や安全管理、対面での接客業務などは自動化が難しく、長く雇用が維持される傾向にあります。どれだけテクノロジーが発展しても、人間という存在があり続ける限りは人間主体の労働が無くなることはありません。 AIやロボットが進化しても、「判断」「適応」「共感」といった人間特有の能力を持つ仕事は、引き続き求められ続けるでしょう。年齢を重ねても働きやすく、求人ニーズが安定しているこれらの職種は、将来的な収入の見通しが立てやすく、結果として老後資金計画の大きな支えとなります。
【具体的な職種】
▼マンション管理人(受付・巡回・書類管理・住民対応)
▼ホテルや観光施設のフロント・案内係(宿泊客・観光客への対応、予約管理)
▼タクシードライバー(高齢者の移動支援、地域交通の担い手)
▼公共施設の管理スタッフ(市民センター・図書館などの受付、設備点検)
▼警備員(施設・交通誘導)(オフィスビルや駐車場の監視、誘導業務)
▼清掃スタッフ(オフィス・ホテル・公共施設)(設備メンテナンス、衛生管理)
【ポイント】
・AIやロボットでは代替が難しい、「対人対応」が必要な仕事が多い
・設備管理・安全管理の仕事は、人の目によるチェックが不可欠
・シニア雇用が広がり、70歳以上でも働ける職場が増加中
・身体への負担を軽減する働き方が可能な職種が多い

3.定年後の仕事を見つけるために「今」できる準備
定年後も安定して働き続けるには、早めの準備がカギです。高齢になってから「働きたい」と思っても、スキルや体力が足りないと、希望する仕事に就くのが難しくなることがあります。特に、デジタルスキルの習得と健康維持のための体力づくりは、多くの職種で役立つ土台になります。そのため、今のうちから少しずつ始めておくことが大切です。
(1)デジタルスキルの習得(リモートワークや事務作業に活用)
・基本的なPC操作(Excel、Word、メール、クラウドツールなど)
・リモートワークに必要なオンラインツールの操作(Zoom、Slack、Google Workspaceなど)
・データ入力やWebライティングなど、在宅ワークに適したスキルの習得
(2)健康維持のための体力づくり(長く働くための基盤)
・リモートワークによる座り仕事対策として、ストレッチや軽い運動を習慣化
・立ち仕事や接客業に備えたウォーキングや筋トレの継続
・無理なく働き続けるために、栄養バランスの取れた食生活を心がける
今の社会では、「働き方の多様化」や「定年延長」が進み、70歳、75歳を超えても活躍できる時代が少しずつ現実になっています。こうした変化を前向きにとらえ、「今できること」から備えておくことが、将来の選択肢を広げる一歩です。スキルも体力も、一朝一夕では身につきません。だからこそ、早めに取り組むことが「働ける時間を延ばす」ことにつながり、結果的に安定した老後の暮らしを支える力になります。未来の自分のために、今日からできる小さな準備を、少しずつ始めていきましょう。

4.まとめ:長く働ける環境を今から準備しよう
障害者手帳をお持ちの方が定年後の経済的な備えをするには、仕事の選択肢を広げることが
何より大切です。高齢になってから突然収入源が途絶えるのではなく、「定年後も無理なく続けられる仕事」を今のうちから見つけておくことで、安心した生活が実現できます。また、安定した収入を得るには、「仕事の選択肢」と「働き続けるための体力・スキル」の両面をバランスよく考えることが欠かせません。たとえば、デジタルスキルを習得すれば、リモートワークという働き方の可能性が広がります。さらに、適度な運動を日常に取り入れることで、長く働き続ける体力も養えます。今後、シニア雇用の場は確実に増えていくと予想されていますが、すべての人に合った仕事が自然に用意されるわけではありません。「どのような働き方が自分に合っているか」「どのようなスキルが必要か」を、日々イメージしながら考えておくことが、定年後の安心につながります。早めの行動が、将来の安心につながります。定年後も安定して働くために、今できることから一歩ずつ準備を始めていきましょう。障害者転職エージェントハッピーは、あなたの前向きなチャレンジを心より応援しています。
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