〜「障害当事者が答える『障害者雇用ってどう?』」本音で答えます。〜 | 障害者転職エージェント ハッピー


〜「障害当事者が答える『障害者雇用ってどう?』」本音で答えます。〜


こんにちは。障害者転職エージェントハッピーの山口です。
私は身体障害の当事者でありながら、長年にわたり障害者雇用の現場に関わり、自らもその選択肢を経験してきました。その中で強く感じたのは、障害者雇用は決して「諦め」や「後退」ではなく、単なる“特別な枠”でもないということです。むしろ、自分らしく、健康的に働き続けるための合理的な選択肢だと実感しています。
求職者の中には、 「一般枠のほうが良いのでは?」「障害者枠だとキャリアの幅が狭まりそう」「賃金が低いのでは?」といった不安を抱える方も多いと思います。私自身も以前は、「一般枠で働くべきだ」という思い込みにとらわれていた時期がありました。しかし、長期的に見れば、無理をせず、心身の健康を守りながら働き続けることが最も大切だと気づいたのです。障害者雇用には、思っている以上に多くのメリットがあります。本コラムでは、私自身の実体験を交えながら、なぜ障害者雇用という選択肢をおすすめしたいのか、その理由をお伝えしていきます。

1.健康を守りながら働ける環境の大切さ
仕事の目的は「長く続けること」だけではありませんが、飽きずに熱意を持って働き続けることはとても重要です。そのために最も欠かせないのが、「健康」です。障害者雇用では、一般雇用に比べて無理のない労働条件が設定されやすく、短時間勤務や通院配慮、業務内容の調整、負担を軽減する環境など、体調や状況に応じた配慮が受けられる傾向があります。私自身、かつて一般枠で働いていたときは「健常者と同じペースで働かなくては」というプレッシャーを感じ、無理を重ねた結果、体調を崩して仕事を続けられなくなりました。一度健康を損なうと、元の状態に戻るのは簡単ではありません。障害者手帳を取得した後に、取得前の心身の状態に100%戻るのは難しい――それが現実です。時間を巻き戻せないのと同じです。だからこそ、「今の自分に無理のない環境で安定して働くこと」、つまり障害者雇用を選ぶことが、現実的で賢明な選択ではないでしょうか。基礎疾患を抱えながら働くには、冷静な判断と日々の自己管理が欠かせません。

2.企業側が提供する合理的配慮
一般雇用では「自己責任」の考え方が強く、体調不良や業務上の配慮を求めることが難しい場合もあります。しかし、障害者雇用では企業に「合理的配慮」を提供する義務があり、無理なく働ける環境が整っているのが大きな違いです。
障害者雇用では、次のような配慮が受けられることが多くあります:
・定期的な面談で体調や働き方について相談できる
・苦手な業務や制限のある作業を考慮してもらえる
・現在の体力に見合った業務内容を提案してもらえる
・通院や体調に配慮した勤務時間の調整がしやすい
・障害への理解がある上司や同僚の中で働ける
こうした配慮があることで、仕事を無理なく長く続けやすくなります。一般雇用では「成果を出して当たり前」「勤怠が安定して当然」といった暗黙のプレッシャーがありますが、障害者雇用では「健康を守りながら働くこと」が前提とされているため、自分のペースでキャリアを築くことができます。
私の実体験でも、障害者雇用に切り替えたことで職場の相談がしやすくなり、病気や障害を抱えながらも自分に合った働き方で成果を出す方法を、一緒に考えてくれる環境に変わりました。その結果、一般枠で働いていたときよりも心に余裕を持ち、無理せず安心して働けるようになったのです。
無理をして体調を崩すより、最初から企業側の理解と配慮がある障害者雇用を選ぶことで、長く安定したキャリアを築いていけるはずです。

3.障害者雇用枠を活用すれば、憧れの大手企業への転職、就職がしやすくなる!
一般枠では競争が激しく、求められるスキルや経験の水準も高いため、入社が難しい大手企業でも、障害者雇用枠を活用することでチャンスが大きく広がります。たとえば、大手メーカー、金融機関、外資系企業、IT企業、アパレル企業など、多くの人気企業が、障害者雇用枠での採用を積極的に進めています。特に、知名度の高い企業は、法定雇用率を満たすだけでなく、ダイバーシティ経営の推進や組織の柔軟性向上といった観点から、多様な人材の受け入れを重視する動きが強まっています。そのため、障害者雇用枠では、自分の適性に合ったポジションで入社できる可能性が高まります。また、多くの大企業では、長く働いてもらうことを前提に、障害のある社員が働きやすい環境づくりを進めています。たとえば、サポートチームの設置やカウンセリング制度の導入、バリアフリー対応のオフィス、柔軟な勤務制度、体調や特性に合わせた業務調整などが整備されている企業も増えています。ただし、サポート体制の内容は企業によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。また、「障害者雇用=単純作業」というイメージを持たれがちですが、実際には総合職、エンジニア、デザイナー、マーケティング、営業職など、専門性やスキルを活かせるポジションも広がってきています。さらに、継続的にスキルを磨けば、管理職への昇進や年収アップも十分に目指せます。一般枠での採用が難しいと感じていた企業でも、障害者雇用枠をうまく活用することで、自分らしいキャリアを築くことが可能です。

4.企業も障害者雇用を求めている
障害者雇用は、求職者にとってだけでなく、企業側にとっても重要な人材確保の手段となりつつあります。日本では、一定規模以上の企業に障害者雇用率の達成が義務付けられていますが、実際には達成できず、納付金を支払っている企業も少なくありません。
ただ近年では、法的義務というだけでなく、組織の持続的な成長を支える採用戦略の一環として、障害者雇用が見直される動きが加速しています。特に、多様性のある職場づくりや人材の流動性向上といった観点から、障害者雇用を単なる「社会貢献」ではなく、「即戦力」として受け入れる企業が増えています。大手企業や成長中の企業では、事務、エンジニア、デザイン、マーケティング、販売職など、幅広い分野での障害者採用が進んでおり、多様な業務での活躍が現実のものとなっています。また、職場への合理的配慮が進むことで、結果的に組織全体の生産性が向上するケースもあります。業務の効率化や無駄の削減、柔軟な働き方の導入などは、障害のある方だけでなく、子育て中の社員や介護と両立する社員などにも恩恵をもたらしています。つまり、障害者雇用は企業にとって「義務」から「経営戦略」へと位置づけが変わりつつあり、今では実務で活躍できる人材を積極的に求める時代です。だからこそ、求職者も「求められている存在である」という意識を持ち、自信を持って転職活動に臨むことが大切です。

5.無理して一般採用で早期退職するより、障害者雇用で長期就業するほうが得策
「一般雇用で頑張りたい」と考えても、環境が整っていなかったり、過度なプレッシャーを受けたりすることで、体調を崩してしまうケースは少なくありません。特に一般雇用では、障害への理解が乏しく、必要な配慮を求めづらいため、無理を重ねた結果、体調を悪化させ、離職を繰り返してしまうことがあります。
さらに、短期間での転職が続くと職歴が増え、次の就職活動で不利になる可能性もあります。面接で「なぜ短期間で辞めたのか」と問われた際、たとえ体調が理由でも「またすぐ辞めるのでは」と懸念され、採用に至らないケースもめずらしくありません。障害者雇用枠であっても、手帳取得後の短期離職や転職回数が多いと、内定獲得が難しくなる傾向があります。
一方、最初から障害者雇用を選ぶことで、無理なく働ける環境が整っており、長期的に安定した就労が可能になります。同じ職場で働き続けることで、スキル向上や昇給、キャリアアップのチャンスも広がります。無理をして辞職を繰り返すより、自分に合った環境で長く働くことが、より良い待遇や将来設計につながる賢い選択です。
また、障害者手帳を取得するまでに乗り越えてきた多くの困難を思えば、これ以上無理を重ねる必要はありません。あえて言えば、健康や寿命はお金では買えないのです。日々を穏やかに働くことが、心身の安定だけでなく、自分らしいキャリアの構築にもつながっていくのではないでしょうか。

6.まとめ:障害者雇用は「前向きな選択肢」
障害者雇用は、決して“特別”なものでも、“妥協”でもありません。むしろ今の時代に合った、健康を守りながら、自分らしく働き続けるための最も現実的で、前向きな選択肢です。働く上で何より大切なのは、「長く続けられること」と「安心して働けること」。一般雇用で無理を重ねて体調を崩すのではなく、最初から自分に合った働き方を選ぶことこそ、キャリアを守り、人生を豊かにする近道です。障害者雇用には、こんなメリットがあります:

・心と体にやさしい働き方ができる
短時間勤務や通院への配慮、業務量の調整など、無理なく働ける環境が整っています。

・チャンスが広がる
今では多くの企業が、障害者雇用を“戦力”として位置づけ、幅広い職種での採用を進めています。憧れの企業や大手企業への道も、決して遠くはありません。

・長く安心して働き続けられる
体調に合った職場で、無理なくスキルを積み重ねていくことで、昇給やキャリアアップの可能性も広がっていきます。

これからの時代、障害者雇用は「社会的な配慮」ではなく、すべての人が長く、健康的に働くための“新しいスタンダード”になりつつあります。自分の体調や特性をきちんと理解し、それに合った働き方を選ぶことは、後ろ向きではなく、むしろ未来を見据えた前向きな決断です。障害者転職エージェントハッピーは、あなたのこれからに寄り添いながら、一人ひとりに合ったキャリア構築を全力でサポートしています。あなたも、自分に合った環境で安心して働ける場所を見つけて、新しい一歩を踏み出してみませんか?皆さまのご登録を、心よりお待ちしております。

関連コラム: 障害者雇用での適職の見つけ方

障害者転職のご相談は、こちら(会員登録)から