週3勤務も正解。"ワークライフハーモニー"で見つける令和の働き方 | 障害者転職エージェント ハッピー


週3勤務も正解。"ワークライフハーモニー"で見つける令和の働き方


こんにちは、障害者転職エージェントハッピーの山口です。「フルタイムで働かないと、ちゃんとした仕事じゃない」「週5日働けない自分は社会人失格なのかな」------そんな風に思っていませんか?もしあなたがそう感じているなら、ぜひ知ってほしいことがあります。令和の今、週3日勤務でも立派な「正解」として認められる時代になってきているということを。

実際、東京都では精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方を対象に、週20時間未満の勤務でも障害者雇用率にカウントされる制度が整備され、企業側も「週3〜4日の短時間勤務」を積極的に受け入れるようになっています。つまり、フルタイムじゃなくても、あなたの働き方は社会的にも制度的にも「正解」なのです。

今回は、ミレニアル世代(1981〜1996年生まれ)やZ世代(1997年以降生まれ)を中心に広がる新しい働き方の価値観「ワークライフハーモニー」という考え方と、精神障害を持つ方々が無理なく働ける時代の到来について、一緒に考えてみましょう。

1.ワークライフハーモニーって何?
「ワークライフバランス」という言葉は、聞いたことがあるかもしれません。これは、仕事と生活のバランスをうまく取ろうという考え方です。でも最近は、それに代わる新しい考え方として「ワークライフハーモニー」という言葉が使われるようになってきました。

この言葉は、Amazonをつくったジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)が広めたことで知られています。彼は、「仕事と生活を切り分けるより、どちらも調和させることが大切だ」と話しています。

「バランス」は、仕事と生活を別々のものとして分けて考えるスタイルを指します。一方「ハーモニー」は、どちらも自分の大切な一部として、うまく重ねていくという発想です。音楽でたとえるなら、バランスは一つずつ音を整える感じ。ハーモニーは、いろんな音が重なって、美しい音楽になるイメージです。

このハーモニーの考え方は、ウェルビーイング(心身の健康と幸福)が大切にされる今の時代にぴったりです。がんばりすぎず、自分のペースで、仕事も生活も心地よくつなげていく。それが、「ワークライフハーモニー」の本当の意味です。

2-1.なぜ今、この考え方が広がっているの?
ハイブリッドワーク(在宅と出社の組み合わせ)や生成AI、SaaSツールの進化によって、「いつ、どこで、どう働くか」の選択肢が大きく広がりました。特に2020年以降、在宅勤務が一気に広まり、「毎日オフィスに通勤するのが当たり前」という常識が崩れました。 今では、ZoomやSlack、Googleドライブなどを使えば、自宅からでも、カフェや地方からでも仕事ができます。AIエージェント(採用業務の自動化)を活用すれば、限られた時間でも高いパフォーマンスが可能になりつつあります。

こうしたテクノロジーの進化は、単に"便利"になっただけでなく、「会社に雇われるだけが働き方じゃない」という考えを現実的なものにしました。SNSで作品を発信したり、スキルをオンラインで販売したりと、スキマバイト(柔軟な働き方)のような個人で収入を得る選択肢も少しずつ広がっています。

同時に、メンタルヘルスやウェルビーイングへの関心も高まり、"がんばり続けることが正解"という空気から、「自分を大切にしながら働く」ことが重視される時代に変わってきました。特に若い世代では、"効率"や"成果"よりも、「心地よく生きること」に価値を置く人も増えています。

こうしたテクノロジーと価値観の両面からの変化が進んだ今、「バランス」ではなく「ハーモニー」という考え方が、より現実的でしっくりくるものとして広がっているのです。

2-2.ミレニアル世代とZ世代が社会の常識を塗り替えている
ミレニアル世代(1981〜1996年生まれ)は、デジタル技術の発展とともに育ち、従来の働き方に疑問を持ち始めた最初の世代です。彼らは「ワークライフバランス」を重視し、仕事だけでなくプライベートも大切にするという価値観を社会に広めました。

続くZ世代(1997年以降生まれ)は、その価値観をさらに進化させています。「我慢して出世する」のではなく、推し活も含めて自分が大切にしている価値観を優先する------そんな"心地よさ"を軸にした生き方を選ぶ傾向が強くなっています。彼らは物心ついた頃からインターネットが身近にあり、多様な生き方・働き方、そしてより科学的で合理的な考え方を自然に目にしてきた世代でもあります。

両世代に共通するのは、「意味のある仕事」「自分らしさを表現できる環境」「心身の健康を保てるペース」を大切にしている点です。20代で起業したり、フリーランスとして世界で活躍する若者も、今では決して珍しくありません。

この世代を象徴する考え方のひとつが「FIRE(経済的自立と早期退職)」への関心です。これは単に「働きたくない」という怠惰な発想ではなく、「一度きりの人生を、自分自身の手でコントロールしたい」という強い主体性の表れなのです。

2-3.フルタイム=正義の時代は終わった
かつては「週5日・フルタイムで働くこと」が、安定や成功の象徴とされてきました。都心での生活、キャリアアップ至上主義、競争社会を生き抜く力------こうした昭和・平成型の"理想の働き方"は、長らく日本社会に深く根付いてきた価値観です。

しかし今、その前提が静かに崩れ始めています。背景には、資本主義的な価値観の見直しがあります。お金や肩書だけを追い求める生き方に対して、特に若い世代の間では「本当にそれが幸せなのか?」という問いが強くなってきました。物価の上昇や都市の過密、自然災害の多発など、社会や生活環境の不安定さも、この価値観の転換に拍車をかけています。そして何より大きな要因は、ウェルビーイング(心身の健康と幸福)への関心の高まりです。 かつてのように「体を壊してでも働く」ことが美徳とされる時代ではありません。今は「続けられること」「自分を大切にできること」が重視され、「生産性」ではなく「持続可能性」が評価されるようになっています。
週5日・フルタイムで働かなくても、自分に合ったペースで社会とつながることは十分に可能です。むしろ、それが自然な流れとして社会に受け入れられつつあります。「どれだけ働くか」ではなく、「どう働き、どう生きるか」が問われる時代。それが、令和という時代の本質なのかもしれません。

3.精神障害者雇用の「今」——制度も変わってきている
障害者雇用においても、「働き方の多様性」は確実に広がっています。たとえば東京都では、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方に対し、以下のような雇用率のカウント制度が導入されています:
・週10〜20時間勤務 → 0.5人分としてカウント
・週20〜30時間勤務 → 1人分としてカウント
・週30時間以上勤務 → 1人分としてカウント
つまり、週3日×6時間=週18時間勤務でも、企業の障害者雇用率に「0.5人分」として正式にカウントされるのです。こうした制度が示しているのは、「フルタイムでなければ価値がない」という古い考え方が、既に制度面からも見直されているという事実です。

さらに現場でも、週10〜20時間程度の短時間勤務を希望する精神障害のある方の雇用が確実に増えてきています。これは、医学的な観点だけでなく、生活リズムを整えながら"無理なく働き続ける"という意味でもとても重要なステップだとされています。

企業側もこの流れを受け、近年はDE&I推進(多様性・公平性・包摂性)の観点から"フルタイム以外の就労支援"の必要性を強く感じ始めています。特に人手不足が深刻化している今、障害のある方を"貴重な労働力"として受け入れ、共に働く未来をどう築くかが、多くの企業にとって現実的なテーマとなってきました。

誰かの働き方に"正解"はありません。そして今の制度は、「あなたらしいペースで社会とつながる」という選択肢を、しっかりと支えてくれています。

4.「働く」の意味が変わってきている
かつては、「どれだけ長く働けるか」が評価の基準でした。しかし今は、「どれだけの時間働けるか」よりも、スキルベース採用(能力重視の評価)のように「その範囲でどのように貢献できるか」が重視される時代になっています。たとえば、週3日勤務の人が、限られた時間の中で丁寧な仕事をこなし、チームに良い影響を与える。在宅ワークの人が、自分のペースで集中し、しっかりと成果を出す。こうした働き方は、本人にとっても企業にとっても、そして社会にとってもプラスになります。

実際、関わる時間が短くても、資料作成の正確さや文章力、数値の読み取りや分析力、報連相の的確さなど、実務面で信頼される存在になることは十分に可能です。また、誠実さや気配り、安定したコミュニケーション力といった人柄に加えて、「仕事を丁寧にこなす力」そのものが、周囲に安心感を与えることもあります。

こうした考え方は、精神障害を持つ方に限らず、誰にとっても大切なものです。「週5勤務=正解」ではなく、自分に合ったペースで働くことが当たり前になる社会へ。それは、より多くの人が自分らしく働ける未来につながっています。

5.自分らしい働き方を見つけるために
ここまで読んで、「でも、本当に週3勤務で大丈夫なの?」と不安に感じる方もいるかもしれません。その気持ち、とてもよくわかります。その不安の多くは、「収入が減るのでは」「キャリアが止まるのでは」といった現実的な心配からきているはずです。たしかに、労働時間が短くなれば、収入が下がる可能性はあります。でも、無理をして体調を崩し、長期の休職や離職につながってしまうことを考えれば、安定して働き続けられる方が、長い目で見ればプラスになるのではないでしょうか。

今は、「どれだけ長く働いたか」ではなく、「その時間でどんな成果を出したか」が重視される時代です。週3勤務でも、自分の専門性を少しずつ高めていけば、それは十分にキャリアになります。むしろ、限られた時間だからこそ、"どうこだわって働くか"がより大切になります。

そして、何より大切なのは、「人と比べすぎない」こと。誰かの働き方や収入と比較して落ち込むのではなく、自分にとって無理なく続けられる形を見つけていくことが、本当の意味での"自分らしい働き方"につながっていきます。「フルタイムじゃなければダメ」という思い込みから自由になること。週3勤務は妥協ではなく、自分の特性や状況に合わせた"選択"です。そしてそれは、逃げではなく、賢く前向きな行動です。

大切なのは、ただ働くのではなく、自分らしく、納得して働くこと。その選択の積み重ねが、安心して働き続けられる日々や、自分への信頼につながっていきます。

6.おわりに——「整えて、休みながら、また歩き出す」職業人生を
令和のいま、働き方の選択肢は確実に広がっています。週3勤務も、在宅ワークも、短時間労働も------すべてが「正解」になりうる時代です。

とはいえ、日本社会にはまだ「みんなと同じでなければいけない」「フルタイムで働けない自分は劣っている」といった同調圧力や画一的な価値観が根強く残っているのも事実です。 でも、どうかそんな古い声に振り回されないでください。精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方にとって大切なのは、他人と比べることではなく、自分の体調・自分のペース・そして"自分の価値観"に沿った働き方を選ぶことです。

あなたには、あなたにしかない強みがあります。あなたには、あなただけのリズムがあります。それは決して「劣っている」のではなく、ただ「違っている」だけ。そして、その違いこそが、あなたの個性であり、大切な価値なのです。

人生はマラソンです。全力で走り続けてしまえば、誰だって息切れしてしまいます。だからこそ、ときには立ち止まり、自分を整え、休んで、また歩き出す。そんなやさしいリズムで生きていくことが、これからの時代にはますます求められていきます。

「ワークライフハーモニー」とは、仕事と生活を切り分けるのではなく、ひとつの人生の中で調和させる考え方。働くことも、休むことも、自分らしさを大切にすることも------すべてがあなたの人生をつくる音色です。

どうか、自分の内側に耳を傾けて、あなただけの美しいハーモニーを奏でてください。キャリアアップを目指すミレニアル世代の方も、あなたらしい働き方を見つけたいZ世代の方も、まずはお気軽にお話を聞かせてください。今すぐ転職を決める必要はありません。転職以外のキャリア相談も大歓迎です。どんな小さな悩みでも、一人で抱え込まないでください。

障害者転職エージェント「ハッピー」は、いつでもあなたのそばにいます。そして、その静かな一歩を、心から応援しています。

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