障害者手帳を取得しても夢は叶うのでしょうか? | 障害者転職エージェント ハッピー


障害者手帳を取得しても夢は叶うのでしょうか?


こんにちは、障害者転職エージェントハッピーの山口です。

今回は、「障害者手帳を取得しても夢は叶うのでしょうか?」というお題です。結論をいえば、障害者手帳を取得してからでも夢は叶います、大丈夫です。その夢が実現できるかどうかは、夢に対する想いの強さによって変わります。今回のコラムでは、ただの励ましではなく、私自身が深い気づきをもらえたご障害のある方々をご紹介いたします。

最初の事例は、重度の視覚障害がありながら弁護士として活躍する板原愛さん(東京弁護士会所属)の事例です。生まれつき父親と同じ強度弱視の障害があり、東京都内の視覚特別支援学校に通っていた中学生時代に、点字の法学入門本に夢中になり「社会で弱い立場にいる人たちの力になれる弁護士になりたい」「根強い障害者差別や雇用問題を知るにつれ、不合理な社会を変えていきたい」という強い想いから司法試験にチャレンジしました。ロースクールでは、学内の支援スタッフらが教材や問題集を電子データに全て変換いただき、それをパソコンの音声で聴き、点字機器でメモを取りながら猛勉強を重ねた結果、2018年9月に、2度目の受験で見事に合格されました。重い視覚障害を持つ女性が司法試験に合格することは極めてめずらしいそうです。そもそも、視覚機能がほとんど失われている方が、視覚機能を多用しなければならない文系資格の最難関である司法試験に合格することは至難の業です。そして、この難関を突破した後にも司法修習生としての1年間の勉強が待っており、これを修了するためにも試験があります。このように数々の困難を乗り越えて、現在、法曹界でご活躍している姿は、まさに理想的な障害者の「はたらく」を体現しているといえます。

次の事例は、全身の筋肉が徐々に動かせなくなる難病「ALS=筋萎縮性側索硬化症」を2013年から患っている武藤将胤(まさたね)さんの事例です。ALS発症後も精力的にクリエイター、DJ、経営者として、エンターテインメント、テクノロジー、介護の3領域を中心にプロジェクトを推進されています。プライベートでは、ご結婚され、お子様も生まれ、順風満帆な生活を送られているようです。武藤さん自身、ALSの進行によって身体的な制約があることから、当事者の視点を生かした視線入力、音声合成、脳波、分身ロボットなどのテクノロジーの研究開発プロジェクトに開発者とともに積極的に取り組まれています。その甲斐あって、例えばALSの進行により残念ながら肉声を失いましたが、過去に録音した自身の声を基に生成した音声合成ボイスを利用して会話されています。また、クロスリンガルという技術によって、事前にデータ化した声による複数言語での会話も可能です。現在は体が動かない状況のため24時間にわたって介護が必要ですが、脳波を利用した意思疎通によって従来通りお仕事の継続や小さな娘さんへメッセージを送ることなども可能となっています。このように、たとえ身体が不自由になっても、その失った機能をテクノロジーの力で代替していく発想と障害に屈しない気持ちの強さには、ただただ敬服するばかりです。

今回ご紹介させていただいたお二人のように、障害によって制限がある方であっても、たゆまぬ努力や最先端のテクノロジーの活用により、障害者という前に一人の人間として夢を実現されている方々はいらっしゃいます。その支えとなっているものは、「諦めたくない」という強い信念でしょう。現時点で心身の状況がつらい方でも、希望と自信を持てる人生へ変えていくことは可能ですので、ご安心ください。そんな皆様を、私たちは障害者専門のエージェントハッピーとしてお仕事面から支えていけたらと思っております。

それでは本日も、「できることをできる範囲」で「ぼちぼち」やっていきましょう。