休職からの復職成功エピソード | 障害者転職エージェント ハッピー


休職からの復職成功エピソード


こんにちは。
障害者転職エージェントハッピーの山口です。

今回は、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方の、休職からの復職成功エピソードをお伝えいたします。はじめにお伝えしたいのは、障害者雇用において体調不良の際には、会社をお休みいただいても問題ないという点です。また、中長期にわたって不調が続く場合は、早めにかかりつけ医や産業医に相談し、何らかの措置を取っていただくことをおすすめいたします。障害者手帳取得後、せっかく働けるほど回復した状況を振り出しに戻さないためにも、勇気を出して少し立ち止まる時間を、これまで頑張ってきた身体に与えることは大切です。会社に対して申し訳なく感じることも少なからずあるかもしれませんが、障害者雇用という枠組みを考えると、少々の欠勤や休職は一定の許容範囲といえるのでご安心ください。

さて、本題に戻りますが、今回ご紹介させていただく方は、非常に活発な若い女性です。大学卒業後、大手日系メーカーに入社しましたが、やや旧態依然としている企業風土のもと、若手社員が抱える業務量の多さや時間担保型の業務遂行スタイル、そして周囲に気軽に相談できる相手がいなかったことなどさまざまな要因が重なり、メンタル不調に陥ってしまいました。今回が人生初のメンタル不調ではなく、学生時代から服薬は行っており、手帳を取得してからかれこれ数年が経っていることもあって、会社に行けなくなることに関しては悔しい気持ちでいっぱいでした。その反面、ご本人の心は決して折れることはなく、ファイティングポーズを取れるエネルギーもまだ残っている状態でした。彼女にとって仕事はやりがいがあり、会社に対する信頼もありました。

企業様から彼女が会社をお休みしていると私に連絡をいただいた後、私から急いでご本人へご連絡を取り、前述した内容に関して改善いただけるよう企業様へお願いすると約束をして終話する予定でしたが、蓋を開けてみると会社内の問題以上に、実は両親との関係性からのストレスが一番大きかったことを吐露されました。今までの関係性のままでいると社会生活にも悪影響を及ぼしかねないため、成人女性として健全な物理的距離を保ちたいというご要望をお持ちでした。私自身、この点に関しては初回カウンセリング時から憂慮しておりました。彼女は社会人として既に経済的、精神的、そして物理的にも独立した生活設計を行っている方でしたので、ご本人の意見を尊重させていただくコミュニケーションを実施いたしました。彼女の場合、幸いにも理解あるパートナーをはじめ、彼女側の立場や意見に寄り添った形でサポートする知人もいらっしゃいましたので、その後押しもあり、今まで難渋されていた両親との関係性を新たな局面へ前進させることができました。

私見ですが、今回の難局を乗り越えられた一番の成功要因は、たとえ障害があり周囲との摩擦を起こしても、自分自身の人生を謳歌(おうか)していきたいという強いエネルギーを彼女が持っていたことです。障害によってかけがえのない若年期の「普通の生活」を失ってしまった過去を持つ彼女にとって、せめてこれからの人生は、病気や他者の評価に囚われない自由な人生を歩んでいきたいという決意の表れだったように思います。復職後、少し時間が経ってから直接お目にかかる機会がありましたが、休職前と比べて明らかにエネルギーレベルが上がり、清々しい表情で今後の展望を語っていただいたことが印象的でした。 障害の有無にかかわらず、生きていること自体が尊いことですが、その中で、つらい現実や困難を避けるのではなく、積極的に受け入れて向き合うことで、より彩りのある人生になることを彼女から学びました。まさにピンチはチャンスです。また、こうした経験を通じて得られた教訓や気づきは、日常生活の中で感じる小さな喜びや感謝の気持ちを深めることにつながり、より人生に深みを与えてくれるエッセンスに変化していくでしょう。
それでは本日も「できることをできる範囲」で「ぼちぼち」やっていきましょう。

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