【法人向け】 障害のある方と共に働くために(障害者雇用の基礎知識と精神障害) | 障害者転職エージェント ハッピー

【法人向け】障害のある方と共に働くために(障害者雇用の基礎知識と精神障害)

障害者雇用の基礎知識と精神障害

01障害者雇用に関する基礎知識
雇用・就業は、自立・社会参加のための重要な柱
各人が能力を最大限発揮し、適性に応じて働くことができる社会を目指す

行政の動向

  • 障害のある人もない人たちと同じように生活、活動できる「完全参加と平等」(1981年国際障害者年)
  • 障害の特性等に応じて活躍できることが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会に(2017年働き方改革実現会議)

行政の動向

  • 障害のある人もない人たちと同じように生活、活動できる「完全参加と平等」(1981年国際障害者年)
  • 障害の特性等に応じて活躍できることが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会に(2017年働き方改革実現会議)

事業主に求められること

  • 社会的責任(CSR)
  • コンプライアンス
  • ダイバーシティ
  • 障害者を雇用することは事業主の義務*であり、多様な人材を積極的に活用することが求められている

*障害者雇用促進法:
雇用義務、納付金、差別禁止・合理的配慮への対応
障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業安定を図ること



障害者雇用促進法とは?


雇用義務、納付金、差別禁止・合理的配慮への対応。
障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリ テーションの措置等を通じて、障害者の職業安定を図ること。



障害者雇用率制度とは?


常時雇用している労働者の●●%以上の障害者の雇用を義務化。
一般の民間企業 国・地方公共団体 都道府県の
教育委員会
法定雇用率 R3.3月~ 2.3% 2.6% 2.5%


雇用率カウント方法と納付金制度


障害者雇用におけるカウント方法 ①「障害者手帳を取得していること」 ②「週20時間以上の勤務」が雇用率カウントの対象。

障害者雇用納付金制度は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構へ雇用義務数不足事業主が1人につき月50,000円を納付。
逆に雇用義務数超過事業主は1人につき月27,000円を同団体から支給されます。※納付金を納付したとしても雇用義務は免除されません。

●障害者雇用における障害者の算定方法

「障害者手帳を取得していること」と「週20時間以上の勤務」が雇用率カウントの対象

●障害者雇用納付金制度



障害者雇用状況


近年の障害者雇用の特徴として法定雇用率の上昇と共に障害者の就職件数全体が大幅に増加。特に精神障害者と、その他*の増加が顕著です。
*その他の障害者とは、障害者手帳を保持していない発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者などを指します。そして就職件数に占める身体障害者の割合が大幅に減り、雇用障害者数としても横ばいが続いております。令和3年度の障害者実雇用率は2.20%(法定雇用率2.30%)、法定雇用率の達成企業割合は47.0%です。



02障害に関する基礎知識
身体障害者手帳

身体障害
視覚障害/聴覚障害/平衡機能障害/音声・言語機能障害/そしゃく機能障害/肢体不自由/心臓機能障害/じん臓機能障害
呼吸器機能障害/ぼうこう又は直腸機能障害/小腸機能障害/ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害/肝臓機能障害

療育手帳(愛の手帳など)

知的障害
知能検査(または発達検査)を行い一定の水準未満の知能指数の場合、知的障害とみなされる。
※判定機関により知的障害と認められた場合も含む。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害
うつ病/躁病/双極性障害(躁うつ病)/パニック障害/不安障害/摂食障害/てんかん/統合失調症/摂食障害
恐怖症/強迫性障害/心的外傷ストレス障害(PTSD)/アルコール依存症/薬物依存症/認知症/パーソナリティー障害
発達障害
①広汎性発達障害(PDD):自閉症障害(自閉症)/アスペルガー症候群/特定不能の広汎性発達障害/小児期崩壊性障害/レット障害(レット症候群)
*PDD (Pervasive Developmental Disorders)
②注意欠陥・多動性障害(ADHD):不注意優勢型/多動性・衝動性優位型/混合型
*ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)
③学習障害(LD):読字障害/書字表出障害/算数障害/特定不能の学習障害
*LD(Learning Disorders)
2年ごとの更新が必要

障害者雇用率の算定対象

①左記いずれかの手帳を取得※
②週20時間以上の継続した勤務
①②どちらも満たしていることが必要

手帳を持つことのメリット
・障害者専用求人への応募が可能
・各種料金の割引や助成が受けられる
 公共料金(NHK受信料、上下水道料金、公共交通機関の運賃 など)
・障害者控除を受けることができる
※自ら開示しない限り、手帳を持っていることは他の人からは分からない
※取得した後、返納することも可能


精神障害について

障害名 主な特性 配慮事項例
統合失調症
  • 陽性症状:幻覚や妄想など
  • 陰性症状:意欲低下や感情の起伏に乏しくなる
  • 認知機能の障害:記憶、注意、判断力等が低下した状態になる
ストレスや環境の変化に対し弱いことを理解しましょう。一度に多くの情報が入ると混乱しやすいため、伝える情報をあらかじめ整理して紙に書くなど工夫をしましょう。
うつ病
  • 強い落ち込みや憂うつな気分
  • 睡眠障害(不眠、一日中眠い)
  • 意欲低下、食欲低下などの身体症状
  • 死にたいという気持ちが強い
少量の簡単な仕事から始め、徐々に仕事に慣れてもらいましょう。本人を焦らせるような言動は控えましょう。
双極性障害
(躁うつ病)
  • 躁状態と抑うつ状態が反復
    • 躁状態:気分高揚、意欲満々
      →おしゃべりになる、浪費する眠らなくても大丈夫と感じる等
    • うつ状態:憂うつ、意欲低下
再発率が高いことから、再発の予兆をとらえ、予防につとめる必要があります。元気な時(躁状態)を基準に考えず、ゆるやかなペースで進めていけると望ましいでしょう。
てんかん 意識消失、けいれん等の発作が反復して現れる脳の疾患。
ほとんどは定期的な通院・服薬で発作の抑制が可能といわれている。
通院時間や服薬管理等の便宜を図ることが必要です。ストレスがかかりすぎないよう、少ない負荷から始めていけると望ましいでしょう。
発作時にどのような対応が必要か(物を退かすなど周囲の安全を確保し、医療機関の受診を促すなど)あらかじめ本人や支援者と共有しましょう。
高次脳機能障害 交通事故や脳卒中などで脳が部分的に損傷をうけ、言語や記憶などの機能に障害が起きた状態。症状の現れ方に個人差が大きく、一見しただけで障害があるとわかりづらい。
  • 記憶力の低下
  • 集中力が続きづらい、ミスが増える
  • 計画を立てて実行することが難しい
  • 感情コントロール力の低下など
わかりやすい業務内容の切り出しや、指示系統の一本化等が配慮の例ですが、個人差が大きいため本人の特性に合わせましょう。
【例】
・メモをとる時間を設け、都度メモを見るよう伝える
・優先度の高い作業から一つずつ指示を出すなど


精神障害共通の特徴と配慮事項

⑴ 体調維持には通院と服薬が必要
通院日をあらかじめ確認しておく(頻度/曜日)
例:休暇の必要のあり/なし

⑵ 疲れやすさ(身体的・精神的)
短時間、シンプルな業務から徐々に慣らしていくと適応しやすい
例:こまめな休憩の許可/休暇の取り方の工夫が必要

⑶ ストレスは体調不良のきっかけになりやすい
どのようなことがストレスになるのかを共有しておく(環境/対人/業務)
例:環境の変化/大きな音に敏感/人の怒鳴り声など

      精神疾患は誰でもかかり得ます
一人ひとりのメンタルヘルスに対する理解が求められます