Z世代の障害者雇用 | 障害者転職エージェント ハッピー


Z世代の障害者雇用


こんにちは、障害者転職エージェントハッピーの山口です。

今回のお題は、「Z世代の障害者雇用」です。Z世代という響きは、昭和に生まれ育った私からすると何だか万能感のある響きでかっこいいです。そんなZ世代(ジェネレーションZ)がおおまかに「若い方」ということは皆さまもご存知と思いますが、一般的な定義としては1997年から2012年までに生まれた世代の方々を指しています。したがって、2024年8月現在では、12歳から27歳の方々がZ世代に該当します。

そんなZ世代の方々の特徴を私なりに考察させていただくと、まず他の年代と比べて特徴として挙げられるのはデジタルネイティブであるということです。物心がついたときからインターネットやスマートフォンが存在しており、デジタル技術に非常に精通しています。情報収集やコミュニケーション手段として、インターネットや各種のSNS、または最近ではChatGPTなどを活用し、男女間の出会いではマッチングアプリもひとつの手段として身近なものとなっています。このように、Z世代は幼少期からデジタル技術に触れて育っていることから、最新のテクノロジーを素早く習得し、活用する能力や適応力に優れています。そのため、企業のデジタルトランスフォーメーションを支える力になる可能性を秘めています。

Z世代の方々に対して私が注目する部分は、「見極め力」です。言い換えれば、年齢に比べて冷静に合理的な判断ができる点が大きな特徴のひとつです。感情や直感のみに頼るのではなく、データやエビデンスに基づいて合理的な意思決定を行えるので、より信頼性の高い判断が可能になります。この点は、お仕事に活かせる強みになるでしょう。デジタルネイティブであるということだけでなく、世界経済の不安定さや環境問題などを目の当たりにして育った年代ですので、プライベートでは節約志向が強く、堅実な経済観念を持っている方が多いといえます。昭和で育った私と比べると、物質的な所有よりも体験や経験に価値を置き、旅行やイベント、ユニークな体験をInstagramで発信し、TikTokにて短尺動画を楽しむ感覚が特徴で、テクノロジーの進展によるD2Cビジネスモデルの成長などが相まってZ世代独自の新たなイノベーティブな活動としてビジネスで大きな強みになるといえます。

Z世代の特徴としては他にも、「エンパワーメント(※)志向」である点が挙げられます。Z世代は、自身の意見やアイデアを発信しやすい環境を求めています。職場でもオープンなコミュニケーション環境の構築や、参加型の意思決定プロセスの導入を好みます。また、社会や環境に対する関心が高く、ボランティア活動や社会運動に積極的に参加する傾向があります。障害者雇用で言えば、Z世代は発達障害やメンタルヘルスに関する認知度も高く、診断を受けることや適切なサポートを求めることに対する抵抗感が他の年代と比べて少ないです。他の年代の方々と比べて学校教育や医療機関での支援も格段と進んでおり、早期に適切な対応を受けられる環境が整っているため、サポートを求める行動が積極的であれば早期に対処することが可能です。こうしたことから、長期就業の実現につながりやすいといえます。

<※エンパワーメントとは?>
「Powerlessから、Powerのある状態にする」という概念で、個人としても社会集団としても意思決定過程に参画し、自律的な力をつけて発揮することを指します。
「Powerless」な状態にある人とは、弱い立場に置かれた人々や抑圧された人々、貧困の中に生きる人々などのことです。エンパワーメントは、こうした人々を「Powerのある状態にする」ことであり、社会福祉の理念と合致する概念であることから、社会福祉に携わる人々を中心に急速に広がったという背景があります。たとえば女性運動においては、男性と比較して女性は「Powerless」な存在という文脈の中で、エンパワーメントの言葉が用いられました。なお、エンパワーメントに関してはさまざまな定義があるので、上記の定義だけが唯一の正解というわけではありません。

急ぎ足でZ世代の魅力を簡単に挙げさせていただきましたが、まだまだ数多くの魅力を持っているのがZ世代です。しかし、そんなZ世代でも苦手なことはございます。これは、あくまでも私見ですが、インスタントメッセージや即時情報の受信に慣れているため、即座の反応や効率的なコミュニケーションを求めがちです。そのため、長時間待たされることや非効率な手続きに対する耐性が低い気がします。また、短期間で結果を求める傾向があり、長期的な努力が必要な仕事に対する持久力や忍耐力に乏しいところも少々あります。企業で働く上で性別・年齢・障害の有無にかかわらず公平な扱いを求めるZ世代の平等意識は、企業文化の改善に非常に貢献する一方で、いわゆる先例主義を重んじるような企業との相性が良くないことも事実でしょう。

このように、Z世代で障害者手帳をお持ちの皆さまのデジタルスキル、多様性を尊重する姿勢、そして創造力は、現代の職場では非常に貴重な強みになります。小まめなメンタルヘルスケアを心がけながら、Z世代の皆さまに合った柔軟な働き方ができる職場を根気強く探し続けていくことが、Z世代の障害者雇用の成功に必要な要素だと考えております。若くして障害者手帳を取得することになってしまった結果、つらいことも多々あるかもしれませんが、働けるまで回復した事実に自信を持ち、できることをできる範囲で一歩一歩前進していきましょう。あなたが思っている以上に職業人生の残り時間はございますので、焦らず励んでください。障害者転職エージェントハッピースタッフ一同、心より応援しております。

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