ミドル・シニア層(40代~50代)の内定取得方法 | 障害者転職エージェント ハッピー


ミドル・シニア層(40代~50代)の内定取得方法


こんにちは。
障害者転職エージェントハッピーの山口です。

今回は、ミドル・シニア層(40代~50代)の内定取得方法に関してお伝えいたします。正直なところ、このトピックは多くの障害者専門のエージェントにとっては積極的に取り上げにくいものです。なぜなら、そもそも人材紹介業(エージェント)というビジネスモデルは20代~30代中心の人材サービスであるからです。雇用する側も、労働力という観点では年齢が若く、成長の伸びしろや組織への適応力も硬直化していない人材を採用したいという強いニーズがあります。こうしたニーズゆえに、障害者雇用だけでなく健常者の領域でも同様に、年齢が上がるにつれて転職・就職が難しくなる傾向があります。

個人的には、年齢の若さや生産性だけに価値を置く社会には賛同できませんが、前提としてこうした社会構造が存在することを把握しておくことは、心をすり減らさないためにも必要なことといえます。とはいえ、適切な活動と健全な危機感があれば、障害者雇用の領域でも40代以降の内定取得は十分に可能です。現在、日本社会は労働人口の減少などの影響によって多くの企業がミドル・シニア層のような経験豊かな人材を求めつつあります。そこで今回は、40代~50代の障害者手帳をお持ちの方に向けて、実践的な内定取得方法をご紹介いたします。

1.人事の目を引く書類作成
あなたの長年の経験と知識は、かけがえのない大きな武器です。これまでのキャリアで培ったスキルや成功体験を、具体的にアピールしてみましょう。ここで大切なポイントは、冗長にならず、人事がぜひお会いしたくなるようなシャープな切れ味の書類作りです。また、あれもこれもと挙げるのではなく、長年にわたって磨いてきた自信のあるスキルや経験を一つ、二つ深掘りし、それを記述することが大切です。いわゆるエキスパート的な視点を用いて、「この業務であれば若者には容易には負けない」という自信のある技術を記載することが書類選考を通過するポイントです。

2.応募数で勝負
この点が、最もミドル・シニア層にとって心理面でハードルが高いところだと思いますが、書類通過を目指すためには必要なので、まずはできる範囲でたくさん応募いただくことをおすすめします。エージェントだけでなく、ありとあらゆる手段、例えばハローワーク、求人広告、ビジネスSNSなどを通じて、なるべく人事とお会いできるチャンスを広げることが大切です。もちろん、精神論のもとにやみくもに行動することを推奨しているのではなく、20代~30代と競う上ではある程度の応募数が必要になってくるという前提を踏まえた上で、量をこなすことが重要です。同時に、ご自身のペースで進めるということもまた大切なポイントです。私見ですが、人間は賢い生き物ですので徹底的に身体を動かすことで、徐々に自分自身に合ったやり方を身につけていくことができます。行動して掴んだ原始的な感覚は、何よりも正確な導きになります。

3.スキルの見直しとリスキリング(再教育)
技術の進化に対応するために、ChatGPTやクラウドサービスなどの新しいITスキルや知識をリスキリングすることが重要です。政府が主催する補助金付きのリスキリング講座をオンラインで受講し、最新のリテラシーをキャッチアップしましょう。35歳〜50歳位を対象としたいわゆる就職氷河期世代向けの就職・転職支援を受けることも一つの手段です。物事の不確実性が高く、将来の予想が困難なVUCA時代に突入した昨今、テクノロジーの急速な発展についていけるだけの知識やスキルをアップデートしながら、併せてアンラーニングもすることが内定取得には必要です。ミドル・シニア世代にとって過去の成功体験に執着せず、新たな知識や価値観を受け入れていくことがどれだけ大変なことかは想像に難くありません。しかし職業人生の後半に差し掛かるこの時期だからこそ、最後のチャンスだと捉え、ご自身を奮い立たせて行動してみてください。

4.リファラル採用(リアルでの人脈作りからの転職・就職)
既存の人脈を活用しつつ、新しい情報や機会を得ることもおすすめです。特に現在45歳以上の方は、インターネットやスマートフォンが普及する前に成人されています。いわばZ世代とは真逆のアナログ世代と言っても過言ではありません。いくらここ数十年でテクノロジーが進んだとはいえ、生身の人間であることは変わりません。オフラインでつながった固い絆は時間を経ても色褪せるものではありません。インターネットを利用してオフラインで開催される業界イベントや交流会に参加し、新たな人脈や同じ志を持つ仲間を作っていくことも、ミドル・シニア世代にとっては有効な手段です。
当然、過去の仕事やプライベートでお会いした人脈をひとつひとつ丁寧にアプローチしていくこともひとつの手段といえます。

最後に、障害者雇用での転職・就職は、年齢や障害に関係なく、新たなチャンスと成長の場です。ミドル・シニアの転職・就職には多くの困難がありますが、そのプロセスのひとつひとつを学びの場として前向きに捉えることができれば、新たなキャリアの道が開けます。逆に、変化に対して後ろ向きの姿勢を続ける限り、良好な結果にはつながりません。現在、日本の障害者雇用は確実に改善しており、多くの企業が積極的に受け入れを拡大しています。あなたの勇気ある一歩が必ず報われる日が来ますので、無理のない範囲でコツコツご活動していただくことをおすすめいたします。それでは、本日も「できることをできる範囲」で「ぼちぼち」やっていきましょう。

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